江戸期の1653(承応2)年に完成した「玉川上水」は、当時の土木技術の最先端をもって造られた水道の遺構。上水を流れる水は武蔵野台地を豊かに潤し、この地に新田を造らせ多くの集落を誕生させることとなった。武蔵野の地に多大な発展をもたらした功績は、国の史跡として指定されるに十分見合うものだ。
その玉川上水の南側、JR「三鷹」駅南口から「井の頭恩賜公園」の手前までの約800mの道路は「風の散歩道」と呼ばれ、武蔵野の自然を愛する人たちの気軽な散歩道となっている。
上水の岸をふちどる桜や若葉は時期によりライトアップされ、昼間とは違う幻想的な美しさを演出。景観をさえぎる電線類を地中に埋め、照明もガス灯風にしつらえる配慮も手伝って、物語の世界に迷いこんだかのようなレトロな雰囲気も味わえる。
散歩道には瀟洒なカフェやレストランも点在しており、風のごとく気の向くままに立ち寄りながら、ひとときの逍遥を楽しむのもよいだろう。
玉川上水(風の散歩道)
所在地:東京都三鷹市下連雀 ほか
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/..
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