学習院をはじめとする文教エリア
駅前の「学習院大学」および「学習院中等科・高等科」をはじめ、目白通り沿いの「川村学園」や「日本女子大学」など、目白は教育機関が集中する都内有数の文教地区でもあります。「目白ファッション&アートカレッジ」「日本外国語専門学校」「東京教育専門学校」「赤堀製菓専門学校」などの専門学校も多数点在しており、南側にはマンモス大学「早稲田大学」もあり、学生街としての側面も持っています。学生の多い街ではあるものの、穏やかで品格のある雰囲気に包まれているのも目白エリアの風土と言えるでしょう。
また、“文化と品格を誇れる価値あるまち”を謳う豊島区は「文化芸術創造都市としま」をスローガンに文化資源の保存と文化活動の支援に力を注いでいるため、文化的な施設も多数点在しています。目白3丁目には、尾張徳川家第19代当主徳川義親が設立した「財団法人徳川黎明会」に所属する、日本でただひとつの民間林業史研究機関「徳川林政史研究所」があります。
趣ある雰囲気の「目白庭園」
同じ目白3丁目には本格的日本庭園「目白庭園」もあり、池を回遊する園路の随所で自然が見える庭園として散策の人も多数訪れます。水際に築かれた石垣の上には、数奇屋建築の「赤鳥庵」が優雅に佇んでおり、茶道・華道・句会・碁会などの趣味の集まりを中心に各種会合で利用されている文化施設にもなっています。ちなみに、「赤鳥庵」の名は鈴木三重吉がこの地で創刊した文芸雑誌『赤い鳥』に由来しているそうです。
本格的な日本庭園が美しい「目白庭園」園内
史料の収蔵、整理・保存と公開を行うことを目的として、1975年に設立された「学習院大学史料館」は、中世以来続く公家・地下官人、近世から近代にかけての大名・華族や大名家家臣や幕臣、また村の名主家史料、および近代から現代にいたる学習院関係者史料など、総件数は約13万点を保有しています。
明治時代、アメリカ人宣教師のマッケーレブが自らの居宅として建てた「雑司が谷旧宣教師館」は、豊島区内に現存する最古の近代木造洋風建築であり、東京都内でも数少ない明治期の宣教師館として大変貴重な建物として保存されています。
野間コレクションが展示されている「講談社野間記念館」
さらに、目黒に近い文京区エリアには、講談社の初代社長・野間清治氏が収集した美術品「野間コレクション」が展示されている「講談社野間記念館」(建て替えのため休館中)や、「椿山荘」の庭園に隣接する「永青文庫」などの文化施設もあります。「永青文庫」には、江戸時代から戦後にかけて所在した熊本藩・細川家に伝来する文化財が保存・一般公開されています。700有余年の伝統に支えられた細川家の美術工芸品、古文書などを見れば、大いなる歴史ロマンを体感できるに違いありません。