「玉川上水(風の散歩道)」は、JR「三鷹」駅南口から「井の頭恩賜公園」の手前まで玉川上水に沿って設けられた約800mの歩道である。江戸期の1653(承応2)年に完成した玉川上水は、当時最先端の土木技術をもって造られた水道の遺構。上水を流れる水は武蔵野台地を豊かに潤し、新田を造らせ、多くの集落を誕生させた。武蔵野の地に多大な発展をもたらした功績は、国の史跡として指定されるに十分見合うものだ。
風の散歩道は、1994(平成6)年度から約8年をかけて整備。その際、江戸時代の貴重な歴史的遺構である玉川上水に配慮して、歩道は天然の御影石を使ったブロック舗装、照明灯や車止めは色調をこげ茶色に統一し、全体が落ち着きのある高品質な道路づくりを目指した。
上水の岸をふちどる桜や若葉は時期によりライトアップされ、昼間とは違う幻想的な美しさを演出。景観をさえぎる電線類を地中に埋め、照明もガス灯風にしつらえるこだわりも手伝って、物語の世界に迷いこんだかのようなレトロな雰囲気も味わえる。
散歩道には瀟洒なカフェやレストランも点在しており、風のごとく気の向くままに立ち寄りながら、ひとときの逍遥を楽しむのもよいだろう。
玉川上水(風の散歩道)
所在地:東京都三鷹市下連雀 ほか
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/..
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