大阪・豊中市の中部に位置する曽根・岡町エリアは、かつて能勢街道の一部として栄えた、歴史と文化に満ちた地です。昭和初期には、曽根エリアが大阪中心部のベッドタウンとして開発され、「西の芦屋・東の曽根」と称されたほどの“お屋敷街”として有名に。また、岡町エリアは地域の信仰を集める「原田神社」の参道としてにぎわった地。双方とも、豊中の振興に大きく貢献してきました。
もちろん、いまの曽根・岡町エリアも、住宅地としての魅力がたっぷり。過去の足跡が残る地をたどれば、その魅力はさらに見えてくるかもしれません。
そうと決まれば、情緒あふれる街並みを感じながらの“文化に親しむ曽根・岡町エリアの歴史散歩”に出かけてみましょう。
奥内陶芸美術館
まずは、岡町エリアの「奥内陶芸美術館」へ。関西を基盤に成功した実業家・奥内豊吉氏が生前に集めた1,000点超の美術品を収蔵しています。奥内氏は、生活用品などの中における“普遍の美”を大切にする「民藝運動」を支持した一人。近代と現代を中心にした陶芸コレクションにも、その精神は表れています。
陶芸のほかには、浮世絵をはじめとする絵画収集品も多数。自分の気に入った作品を心ゆくまで鑑賞できる、ぜいたくな時間を過ごせます。
岡町商店街
満ち足りた気分で美術館を出て、阪急宝塚線の「岡町」駅前へ。電線は地中化し、駅も高架に。整然とした街並みが続きます。
そんな中、タイムスリップしたかのようなレトロな看板の「岡町商店街」がお出迎え。アーケード型の商店街には、昔ながらの店舗が鈴なりに並んでいます。
この岡町商店街とつながっているのが「桜塚商店街」。こちらもアーケード型のショッピングモールで、どことなく懐かしいムードが漂っていますが、途中にスーパーマーケットの「ライフ 岡町店」がひょっこり顔を出したり、ところどころで新しさを垣間見せています。