鉄道の開通、ショッピング施設の誕生で大阪の拠点へ
1874(明治7)年に「大阪」駅が梅田に置かれ、その後、郊外からの私鉄の駅も設けられたことから、梅田エリアは大阪の玄関口として発展を遂げました。各私鉄の駅にはショッピング施設が併設され、ショッピングタウンとしてもにぎわうようになります。
以降、梅田エリアは進化を続けてきました。2011(平成23)年には「大阪」駅の南北にショッピング施設などが入る「大阪ステーションシティ」がグランドオープンし、2012(平成24)年には「阪急 うめだ本店」のリニューアルが完成。2018(平成30)年には「阪神梅田本店」の建て替え第1期工事が完成するなど、ショッピングタウンとしての魅力も高まっています。
うめきたエリアの再開発が進む
「大阪」駅の北側は「梅田貨物」駅が広がっていましたが、2000年代からうめきたエリアとして再開発が進められました。2010(平成22)年から先行開発地区が着工され、2013(平成25)年に「グランフロント大阪」としてショッピング施設やホテルなどが誕生しています。
2013(平成25)年には「梅田貨物」駅の機能がすべて移転し、2018(平成30)年には残るうめきた2期区域の開発事業者も決定しました。うめきた2期区域は2024(令和6)年夏ごろに一部が先行開業し、2027(令和9)年度に全面オープンとなる予定です。
このうめきた2期区域の地下には「大阪」駅の新しいホームが2023(令和5)年に設けられることになっています。ここには「新大阪」駅と「関西空港」、和歌山県方面を結ぶ特急列車が発着するほか、2031(令和13)年度開通予定のなにわ筋線の乗り入れも計画されています。
「大阪」駅西側の再開発も始動
「大阪」駅付近では「大阪」駅北側のほかに旧「大阪中央郵便局」跡地周辺でも大規模再開発が進められています。再開発で誕生するビルはオフィス、ショッピング施設、ホテル、劇場など多様な機能を併せ持つ地下3階地上39階の規模となります。かつての「大阪」駅周辺の街の記憶を伝えるため、4層吹き抜けのアトリウムに面して旧「大阪中央郵便局」のロビー部分を含む正面側が移設、保存される計画です。
「大阪」駅北口エリアの開発が進み、重要性が増してきたこと、旧「大阪中央郵便局」跡地の再開発が進められていることから、「大阪」駅の西側で南北を結ぶニーズも高まってきました。そこで、JR西日本では「大阪」駅の西側に新しい改札口と南北の連絡通路を整備します。新しい改札口付近の高架下にはショッピング施設やバスターミナルも造られ、北側には駅ビルも新設されます。新しい改札口は、2023(令和5)年に暫定供用開始、駅ビルは2024(令和6)年、高架下のショッピング施設とバスターミナルは2027(令和9)年までに順次完成する予定です。
これらが完成すれば梅田エリアの拠点性はさらに増すことでしょう。進化を続ける梅田エリアから目を離せません。