7つの鉄道駅が集中し、1日約250万人ともいわれる乗降客数を誇る西日本屈指のターミナル地区の拠点であるJR「大阪」駅周辺。 その北側で「うめきた2期」として行われている再開発では、駅前に4.5ヘクタールの広大な森が誕生することになり、注目を集めています。
「大阪駅北地区まちづくり基本計画」。「うめきた1期」は完成。
「うめきた」はJR「大阪」駅の北側に位置し、近年大規模な再開発が進んでいるエリアです。かつてこの場所には梅田貨物駅があり、1928(昭和3)年の開業から138年もの間、物流拠点として機能していました。しかし、その後の国鉄分割・民営化をきっかけに貨物駅は吹田市へと移転することが決定。移転後に残ったこの広大な土地をどう活用するかが長年検討されてきました。そして、2004(平成16)年に「大阪駅北地区まちづくり基本計画」が決定し、現在の大規模な都市開発である「うめきた1期・2期」がスタートしました。
事業の対象となっている24ヘクタールのうち、約7ヘクタールは先行して開発され、「グランフロント大阪」が2013(平成25)年4月に開業しました。全4棟の高層ビルが駅前に誕生し、ショッピングモールやレストラン、オフィス、ホテルなどの様々な機能を持った複合施設として、大阪の新しい顔となっています。
「うめきた2期」が事業スタート!大阪駅北側に大規模な都市公園が
そして現在、「うめきた2期」の再開発事業も着々と進行しています。「うめきた2期」は、2015(平成27)年に”「みどり」と「イノベーション」の融合拠点”を目指すというまちづくりの方針が決定され、残りの開発区域(グランフロントの2倍以上)を大規模な都市公園として整備が進められています。
開発区域は、北街区(1.6ヘクタール)、都市公園(4.5ヘクタール)、南街区(3ヘクタール)に分けられています。
北街区は、“新産業創出”を掲げ、新たなビジネスチャンスの創出ができるような「産学官民」の交流ゾーンとなる予定です。そして南街区は、国際集客・交流を創り出す商業・宿泊・MICE施設を誘致し、高度の複合都市機能を集積させたゾーンとして整備されています。
さらに4.5ヘクタールもの広さをもつ都市公園は、北公園・南公園・賑わい軸(東西軸)として整備されることが決定しています。
今後は、「大阪・関西万国博覧会」の開催を翌年に控えた2024(令和6)年9月に北街区のホテル、中核機能・商業施設、うめきた公園の一部が先行まちびらきを迎えます。2027(令和9)年には2期区域の全体が整備完了となる予定です。
新駅開通でさらに便利に
「うめきたエリア」では、2023(令和5)年3月に「大阪」駅(うめきたエリア)が開業しました。これにより、特急「くろしお」「はるか」とおおさか東線の列車が地下ホームに乗り入れることとなり、「大阪」駅の拠点性がさらに高まり、関西エリア全体のネットワークがより強化されます。また大阪市を南北に走る新線「なにわ筋線」(令和13年開業予定)の起点にもなる予定で利便性向上が期待されています。