おしゃれな人たちが行き交う「プラチナ通り」は、東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線「白金台」から外苑西通りへと続く、落ち着いた、高感度なセンスを持つストリート。その近隣住民たちは、イタリアの流行発信地・ミラノの“地元の人”という意味の語「ミラネーゼ」をもじったような「シロガネーゼ」と呼ばれ、セレブリティーの代表格としてあこがれを集めています。
今回は、そんなシロガネーゼたちの愛する白金・白金台周辺を、文化的な面にも注目しながら歩いてみましょう。
国立科学博物館附属自然教育園
スタートは、ここ、「国立科学博物館附属自然教育園」から。
施設に接する舗道にまで、緑の樹木があふれてくるほど自然いっぱいのスポットで、1949(昭和24)年には全域が天然記念物および史跡に指定されています。
園内には森林浴が存分にできそうな森に加え、「ひょうたん池」や「水鳥の沼」といった水辺の風景もあり、鳥や小動物たちの楽園にもなっています。
土地の持つ歴史は古く、中世には、豪族の館があったとか。江戸期には“水戸黄門”で知られる徳川光圀の兄で高松藩主・松平頼重の下屋敷になり、大正期には宮内庁の「白金御料地」として管理。一般人が立ち入ることはできませんでした。
現在もありのままの自然が広がっているのは、こうした高貴な人々が住み、大切に保護されてきたためでしょう。もちろん、四季の移ろいにまかせ、自然本来の姿に近い状態で植物を残そうとする自然教育園の姿勢も大きく寄与し、今の環境が守らているのです。