町田市は、多摩地区の主要都市として栄えてきました。
この町田市は、古くは、群馬県や埼玉県東部で生産された生糸を横浜へと運ぶ「絹の道」の拠点としても発展してきました。また、町田市は、乾物を扱う商店が多いことでも知られ、「町田」駅近くの商店街では、何軒もの乾物屋が軒を連ねています。
今回は、商人の街とも呼ばれた町田の商業の歴史を訪ねる散策をしてみましょう。
スタート地点はJR「町田」駅です。ターミナル口を出て、一本路地を入ると、そこはかなり大きな商店街で、様々な買い物が楽しめます。
二・六の市の碑
「町田商工会議所」近くに建つ「二・六の市の碑」は、今から500年以上前にこの地で市が開かれていたことを示すものです。
ここでは、当初、二の付く日に市が開かれていましたが、1800年代には、二と六が付く日に開かれるようになり、近隣からもたくさんの人々が集まってきたといいます。
扱う商品は近隣で採れた、炭、薪、蚕糸、野菜のほか、衣料や農具なども扱い、これが今日まで続く「原町田商店街」の基礎となりました。
河原本店
「二・六の市の碑」から小田急線「町田」駅方面に足を進めると、やがて、左側に、乾物屋「河原本店」が見えてきます。この「河原本店」は、明治時代の創業という老舗で、レトロな風情の店内いっぱいに乾物が並んでいます。
ここでは、昆布には力を入れていて、利尻昆布をはじめ、羅臼昆布、日高産昆布など、北海道各地で採れる昆布が揃っています。これらの昆布は産地によって味が違い、適した料理もあるそうです。そんな話を聞きながら買い物をするのも散策の楽しみです。