雑司が谷旧宣教師館
洋風レトロの雰囲気が漂う「雑司が谷旧宣教師館」
“和”の風景というイメージが強い雑司ヶ谷ですが、洋風の“レトロ”に恵まれた土地でもあります。その代表格が、豊島区最古の洋風建築物である「雑司が谷旧宣教師館」。アメリカより来日した宣教師のジョン・ムーディー・マッケーレブが1907(明治40)年に布教所兼住居として自ら設計した、19世紀後半型の建物です。
マッケーレブは雑司ヶ谷の地に永住する気でいましたが、太平洋戦争のため、やむなく帰国。館内に展示されている、近隣住民との交流の写真などを見ていると、彼がどんなにこの地を愛していたか伝わってきます。また、雑司ヶ谷エリアが昔から多くの人を魅了する地であったことも見てとれるでしょう。
「雑司が谷旧宣教師館」館内の様子
入館無料ということもあり、現在も「雑司が谷旧宣教師館」は多くの人に親しまれています。この日も、近くの子どもたちが元気に中庭を走り回っていました。ふと動きが止まったので、彼らの目線の先を見ると、そこにはのんびり昼寝を決め込む猫が。自身の子ども時代とオーバーラップするような懐かしいシーンに心が温かくなるひとときでした。
古き良き、温かいものにあふれている目白・雑司ヶ谷界隈。「新東京百景」に選ばれるのも納得、の表情豊かな街並みは、見るたび・触れるたびに新しい発見がある、“温故知新”の息づいた地でした。
もしかすると「新東京百景」の「新」の部分は、街と向き合うたびに見つかっていくものかもしれません。この街に住み、暮らしの中で向き合う中でも、心のアンテナはきっと飽きることのない素敵な魅力を日々捉え続けていくに違いありません。
旧宣教師館通りの様子